保育園・幼稚園における空調設備は、単なる「快適性」だけでなく、 子どもの体温調整の未熟さ・安全性・感染症リスク軽減に直結する重要なインフラです。 京都市は夏の高湿度、冬の底冷えが顕著な地域であり、木造や鉄骨平屋の園舎では空調設計に細心の注意が必要です。
目次
Toggle導入前の悩み(京都市の保育園事例)
以前は天井埋込形の旧型機種を使用していましたが、以下のような悩みがありました。
- 冷暖房のムラが大きく、保育室によって温度差が出やすい
- フィルター掃除や点検に手間がかかり、衛生管理が大変
- 更新時に天井工事が必要となりコストが膨らむ
天井吊形エアコンを選んだ理由
今回導入したのは天井吊形の業務用エアコン(10馬力・省エネ型)です。選定理由は以下の通りです。
- 天井を大きく改修せずに設置可能で、施工コストを抑えられる
- 園児の活動スペースを妨げず、広い教室でも空気がまんべんなく循環
- フィルター清掃が容易で、保育士の方でも点検がしやすい
- 最新モデルは風量制御が細かく、午睡時は静音運転に切替できる
なぜ保育園・幼稚園に天井吊形エアコンが向いているのか
専門家の立場から見ると、天井吊形エアコンは以下の理由で保育施設に特に適しています。
園児の安全性確保:
床置形に比べて直接触れる心配がなく、遊具や家具の配置を妨げません。
気流の分散性:
天井から広範囲に送風できるため、冷暖房のムラを最小化できます。
施工性:
天井埋込形に比べて大規模な天井改修が不要。園の運営を止めずに短期間で導入可能です。
清掃性:
フィルターや本体にアクセスしやすく、定期点検・掃除が保育士や管理者にも負担が少ない。
子ども特有の体温調整への配慮
幼児は体温調整機能が未発達であり、気温変化に敏感です。特に京都市のような「夏は高湿・冬は底冷え」の環境では以下の点が重要になります。
- 送風感の調整:強い冷風が直接当たると体調不良の原因となるため、天井吊形のワイド気流制御で柔らかい風を全体に行き渡らせる。
- 温度ムラの防止:冷気は下に溜まりやすく、暖気は上に籠もるため、自動サーキュレーション機能が有効。
- 静音運転:午睡中には運転音を抑えることで、子どもの睡眠を妨げない環境を確保。
- 換気との連動:感染症予防のためには「換気」と「空調」を一体で考える必要があります。
導入事例:京都市内 保育園の天井吊形エアコン更新
導入前は天井埋込形(旧型・10年前モデル)を使用しており、 「冷暖房のムラ」「電気代の高さ」「清掃の手間」が課題でした。 更新後は最新の天井吊形に入替え、園舎全体で以下の改善が見られました。

数値で見る効果
条件 | 旧型(天井埋込形・10年前) | 新型(天井吊形・省エネ型) | 削減効果 |
---|---|---|---|
年間消費電力量 | 30,000kWh | 22,000kWh | ▲8,000kWh(約27%削減) |
年間電気代 (関電:28.59円/kWh) | 約858,000円 | 約629,000円 | 約229,000円削減 |
まとめ
保育園・幼稚園における業務用エアコン選びは、単なる「冷暖房」ではなく、 子どもたちの体調管理・安全性・省エネ性をすべて満たす必要があります。 京都市の気候特性を踏まえると、最新の天井吊形エアコンはその条件を満たす有力な選択肢です。 更新による電気代削減効果だけでなく、保育環境そのものの質向上にも直結します。